いのちをつなぐ委員会
あすなろ猫とは?
全国殺処分ワーストからの脱却を目指して、公益社団法人福岡県獣医師会では2010年、いのちをつなぐ委員会の前身となる過剰繁殖問題対策委員会(いわゆる野良猫と呼ばれている猫たちの対策のための委員会)を立ち上げました。
殺処分・引き取り頭数の大多数を占めるのは、子猫(のら猫)です。食べ物もなく、冬は寒さに震え、いじめや虐待におびえ、気温が上がれば蚤やダニによる皮膚病に苦しみ、事故や病気にあっても治療も受けられずに亡くなって逝く。そんなのら猫たちの現状を何とか改善するべく、主に以下2つの事業に取組みながら、これまで7,334頭の飼い主のいない猫へ不妊去勢手術を行ってきました。
- あすなろ猫方式
飼い主のいない猫の不妊去勢事業 - 譲渡犬猫方式
県の愛護センターで保護された犬猫の健康チェックの実施
これらの事業を進めていくうち、社会の変化によりさらに考えるべき新たな課題が見つかりました。高齢者の飼育放棄や、多頭飼育者による飼育崩壊などの中途飼育放棄です。
都市部・郊外に関わらず、核家族化によるお年寄りの一人暮らしが増えています。生活のパートナーとして犬や猫を飼われることも少なくありません。しかし、誤った飼育方法による多頭飼育崩壊や、予期しない病気や入院などにより飼育が困難となり、飼育動物が止むを得ず物愛護センターへ持ち込まれるケースをたくさん目にしてきました。
また家に取り残された猫や捨てられた犬は、自力での食料の確保もままならず、つらい思いをしたまま命を落としてしまいます。
このような人に馴れ、人との生活を経験している犬や猫の命を繋げることができないか、命のリレーができないだろうか。次の課題が見えてきたのです。
幸いなことに、今では行政の譲渡会はもちろん、命の期限がある犬や猫を引き出して譲渡会を行うボランティアさんやNPO団体も増え、譲渡を目的とする猫カフェや、行政書士によるペット信託も根付き始めました。
また福岡市の動物愛護センターによるミルクボランティア(収容され殺処分の運命にある哺乳が必要な子犬・子猫を一時的に預かり飼育する)など、「命の放棄」をなくすための支援が広がりつつあります。
過剰繁殖の連鎖を断ち切りながら、「命のリレーシステム」を模索していきたいと思います。
いのちをつなぐ委員会
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